民謡の発声にはその土地の風土や文化が色濃く反映されており、独特の力強さと語り口のような抑揚が特徴です。
一般的なクラシックやポップスの発声とは異なり民謡では腹の底から響かせるような深い声と、遠くまで届くような通りの良さが求められます。
この発声の基本には腹式呼吸があり特にお腹からしっかりと息を出すことで、地に足の着いたような響きが生まれるのです。
声を張る場面では喉を締めずに上体全体で支えるように発声することが大切で、声の芯をしっかりと保ちながらも無理なく響かせることが求められます。
語尾のこぶしやビブラートなど装飾的な発声技法も多く、それぞれの地域や曲の特徴に合わせて使い分ける必要があります。
民謡の発声は形式にとらわれず自然体で歌うことを大切にしつつも、身体全体を使った発声によって力強さと説得力を生み出しています。
民謡に触れることで単なる歌唱ではなく、言葉と旋律を通して人々の生活や感情を伝える「声の文化」に触れることができ発声の幅も豊かに広がっていきます。