合唱における発声は個人の技術を発揮するだけでなく、他のメンバーと調和し一体感を生み出すための音作りが中心になります。
そのためにはまず基本となる腹式呼吸を習得し、息の支えを安定させて同じ音量・響きで長く音を保つ練習を重ねることが重要です。
合唱では声を「響かせる場所」を揃えることが特に大切であり、頭の上部や鼻腔を使った共鳴を意識した発声が求められます。
各パートが明瞭な音程で発声しつつも全体でまとまりのあるサウンドを作るためには、自分の声を周囲の音に合わせて微調整する「聴く力」も不可欠です。
母音を揃えて発音することで言葉の統一感と響きの一体感が増し、美しいハーモニーが生まれやすくなります。
発声時の姿勢や口の開け方も揃えることで音の立ち上がりが揃い、より洗練された合唱表現が可能になるのです。
合唱での発声はソロとは異なる技術と意識が求められますが、個々の声がひとつになったときに感じる響きと感動は他では味わえない特別な音楽体験をもたらしてくれます。